はじめに:なぜPythonなのか
Pythonは、今や世界中で最も人気のあるプログラミング言語のひとつです。
人工知能(AI)やデータ分析、Webアプリケーション開発、業務自動化スクリプトなど、あらゆる分野で活用されています。
その理由は、文法がシンプルで読みやすいこと、豊富なライブラリとフレームワークが揃っていること、そして学習コストが低いことにあります。
本記事では、Pythonの基本的な構文や環境構築方法を解説し、最後に実際に動かせる「ToDoアプリ」を作りながら学びます。
Pythonの特徴
Pythonの強みは、以下の4点に集約されます。
- 読みやすく簡潔な文法
- 余計な記号や括弧が少なく、英語のように直感的に書けます。
- 豊富な標準ライブラリ
- ファイル操作、Web通信、データ処理などが標準でサポートされています。
- クロスプラットフォーム対応
- Windows・macOS・Linuxのいずれでも同じコードが動作します。
- 活発なコミュニティ
- Stack OverflowやQiitaなどに情報が豊富にあり、学習がスムーズです。
Python開発環境の構築
ここでは、Windows・macOS・LinuxのそれぞれでPythonを始めるための基本的な手順を紹介します。
Windowsの場合
- 公式サイト(https://www.python.org/downloads/)からPythonをダウンロード
- インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れる
- インストール後、以下のコマンドでバージョンを確認します
python --version
- コードを書くには Visual Studio Code などのエディタがおすすめです。
macOS / Linuxの場合
macOSではHomebrewを利用、Linuxではパッケージマネージャーを利用して簡単にインストールできます。
# macOS
brew install python3
# Ubuntu / Debian
sudo apt install python3
確認は次のコマンドで行います。
python3 --version
仮想環境の構築(おすすめ)
プロジェクトごとにライブラリを管理するために、仮想環境を使うのが一般的です。
python -m venv venv
仮想環境を有効化します。
# macOS / Linux
source venv/bin/activate
# Windows
venv\Scripts\activate
これで独立したPython環境を使って開発ができます。
Pythonの基本構文
ここからは、Pythonの基本的な文法を順に見ていきましょう。
変数とデータ型
Pythonでは型を明示せずに変数を宣言できます。
name = "Python"
version = 3.12
print(f"Hello, {name} {version}")
条件分岐
インデントでブロックを表すのがPythonの特徴です。
age = 20
if age >= 18:
print("成人です")
else:
print("未成年です")
ループ処理
for
構文を使って繰り返し処理が簡単に書けます。
for i in range(5):
print(f"{i}回目のループ")
関数定義
def
キーワードで関数を定義します。
def greet(name):
return f"こんにちは、{name}さん"
print(greet("太郎"))
ハンズオン:ToDoリストアプリを作ってみよう
ここでは、学んだ基本構文を活かして、簡単なToDo管理プログラムを作ってみましょう。
このスクリプトはターミナル上で動作します。
コード例
todos = []
def show_menu():
print("\n1. 追加\n2. 表示\n3. 終了")
while True:
show_menu()
choice = input("番号を選択してください: ")
if choice == "1":
task = input("タスクを入力: ")
todos.append(task)
print(f"「{task}」を追加しました。")
elif choice == "2":
if not todos:
print("タスクはありません。")
else:
print("\n【ToDo一覧】")
for i, t in enumerate(todos, 1):
print(f"{i}. {t}")
elif choice == "3":
print("終了します。")
break
else:
print("無効な入力です。")
実行方法
上記のコードを todo.py
という名前で保存し、次のコマンドを実行します。
python todo.py
コンソール上でタスクを追加・表示・終了できるシンプルなアプリです。
このようにPythonでは、わずか数十行で動作するプログラムを簡単に作成できます。
次のステップ
Pythonの基礎を理解したら、次のようなテーマに進むとさらにスキルを伸ばせます。
- 標準ライブラリの活用(
os
,datetime
,json
など) - 外部ライブラリの利用(
pip install requests
,beautifulsoup4
など) - Webアプリ開発(Flask, FastAPI)
- データ分析・AI開発(Pandas, NumPy, scikit-learn, TensorFlow)
- 自動化スクリプト(定期処理・ファイル管理など)
まとめ
Pythonは、「書いてすぐ動く」「読んで理解しやすい」という特徴を持つ、学びやすく実用的な言語です。
まずは基本文法と環境構築に慣れ、簡単なスクリプトを動かしてみましょう。
手を動かすことで、文法の理解が定着し、次のステップ(Web・データ分析・AI)にもスムーズに進めます。
あなたの最初の一歩が、未来の大きなスキルアップにつながるでしょう。
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